サツマイモを育てるためには肥料・堆肥・石灰が必要なの?
いつ撒くと効果的?
ついでに購入できる場所も教えて!
今回はこんな悩みを解決しましょう。
サツマイモを大きく成長させるには土壌環境を整えることが効果的ですが、そのために肥料や堆肥、苦土石灰は必要なのか。
必要ならどのくらいの量をどのタイミングで撒くのかを理解しておくと、成功率がグッと上がります。
サツマイモ栽培に欠かせない知識なので、ズボラな私もさすがに勉強しました (笑)
その結果、下のようなパンパンに育ったサツマイモを収穫できたので少しは参考になるかと思います。
記事後半ではこれらの購入方法についても説明しているので、サツマイモを育てるのが初めての人は要チェックです。
それではどうぞ。
サツマイモを育てるための肥料・堆肥・石灰の効果と必要性
さっそく結論です。サツマイモ栽培に肥料、堆肥、苦土石灰が必要かについて。
- 肥料:必要ない
- 堆肥:お好みで
- 苦土石灰:必須
なぜこの結論に至ったかについて、詳しく解説していきます。
肥料:必要ない
まずは肥料ですがサツマイモ栽培には必要ありません。理由は以下の通りです。
サツマイモは「窒素固定菌」と呼ばれる根粒菌と共存しており、この菌が作物の成長に重要な窒素を栄養にしやすい形で供給してくれるから。
つまり他所から栄養(肥料成分)を得なくても、自らで成長できる能力を有しているということ。
だからこそ昔から「やせた土地でも育てられる」と重宝されてきたわけですね。
さらに言うなら「肥料はむしろ撒かない方が良い」と思います。
栄養過多によりつるボケが起こりやすくなるといわれているからです。
【つるボケとは】
ツルや葉っぱばかりが伸びて、肝心のイモができにくくなる現象
もちろん他の作物では肥料が必要になることもありますが、サツマイモに関しては必要ないので撒かなくてOKです。
堆肥:お好みで
次に堆肥について。堆肥は撒くかどうかはお好みでいいかと思います。
私は堆肥を使わずにサツマイモを栽培した結果、ちゃんと成長したので必須だとは思っていません。
とはいえ堆肥を混ぜ込むことにより以下のメリットもあります。
- 土壌がフカフカになり根が張りやすい
- 土壌の水はけが良くなる
- イモの肥大化が阻害されない
ただし牛糞や鶏糞のような堆肥については肥料成分も含まれているので、入れすぎると窒素過多となり「つるボケ」の原因となります。
これら動物性堆肥を撒くときは、以下の点に注意。
・1㎡につき2~3kgまで
・完熟したものを使用する
これらに注意して使用すればサツマイモ栽培に最適な土壌環境を整えられると思います。
苦土石灰:必須
最後は苦土石灰について。初めての土地でサツマイモを育てるなら必須です。
まず簡単に苦土石灰の説明を。
・水酸化カルシウムが主成分である「消石灰」にプラスしてマグネシウムが含まれた石灰
・石灰を撒くことで酸性の土壌を中和して、植物が育ちやすい土壌にする効果がある
・消石灰・苦土石灰・有機石灰の3タイプがある。左から効き方が強い順
土壌は雨に打たれるほど酸性に寄っていきます。大半の作物は酸性土壌では育ちにくく、サツマイモも同様です。
つまり土壌を酸性にしない必要があるわけですね。そこで苦土石灰の出番です。
苦土石灰を撒くことで酸性土壌を中和してアルカリ性に寄せるので、サツマイモが成長しやすい土壌環境になるわけです。
石灰には「苦土石灰」以外にも「有機石灰」や「消石灰」などがありますが、特に理由がなければ苦土石灰でOK。
サツマイモ栽培には欠かせないモノなので必ず準備しましょう。
サツマイモ栽培で堆肥・苦土石灰を撒くタイミング
ここからは堆肥と苦土石灰を撒くタイミングは以下の通りです。
- 堆肥:定植の1か月前まで
- 苦土石灰:定植の2週間前まで
理由も含めて解説していきますね。
堆肥:植え付け1か月前まで
まずは堆肥ですが、撒くならば定植(植えつけ) の1か月前までに土に混ぜ込みましょう。
堆肥を投入するとゆっくりと養分が供給され、土壌内に生息する微生物の働きが活発になります。
1か月前までに混ぜ込むことで、植えつけの頃には活性化した微生物が土壌がフカフカにしてくれます。
ただし先ほど説明したように投入量には気を付けてください。
とくに牛糞や鶏糞は肥料成分が含まれているので入れすぎは窒素過多の元。つるボケを引き起こしかねません。
1㎡あたりに2~3kg
この分量を守って投入しましょう。
ちなみに栄養過多が気になるなら堆肥を入れないのもアリかと。
私は堆肥を入れなくても収穫できたので問題ないと思います。
苦土石灰:植え付け2週間前まで
苦土石灰は植えつけの2週間前までに散布し、混ぜ込みましょう。
緩効性のため土壌に撒いてから溶け出し酸性を中和するまでに時間がかかるから。
さらに石灰は水に溶けると熱を発するため、散布後すぐに植えつけると根腐れの原因にもなるそうです。
※プロ農家のYouTubeや記事では苦土石灰散布後、すぐに植えつけても問題ないと発信している人もいます。
わたしは実際に苦土石灰を散布して混ぜ込み、2週間後に植えつけて成功したので「2週間前説」を推しています。
苦土石灰を撒く量としては、1㎡あたり100~150gが目安。
一握り約50g (実際に量ってみるのがオススメ)なので2~3握りくらいです。
サツマイモ栽培用に堆肥・苦土石灰を買う方法
最後は以下の購入方法についてお伝えしていきます。
- ホームセンターで買う
- 農家の店で買う
- 園芸店で買う
- インターネットで買う
それぞれについて品ぞろえやメリットも含めて簡単に説明します。
ホームセンターで買う
もっとも身近にある購入先がホームセンターではないでしょうか。
全ホームセンターを合わせると5000店舗近く存在するので、近所にあるよーという人も多いでしょう。
ホームセンターには以下のように多くの売り場がありまして、
- 日用品売り場
- 工具売り場
- 園芸売り場
- ペット用品売り場
- 資材売り場
- 食料品売り場
ザッとあげるだけでもこれだけあります。
この中で肥料や堆肥、石灰を置いてあるのは「園芸用品売り場」です。
地域性やお店の方針によって力を入れている売り場は違いますが、園芸用品売り場はほぼ全てのホームセンターにあります。
売場に商品がなくても取り寄せてくれるお店も有り。
諦めずにカウンターで声をかけてみてください。
農家の店で買う
次に農家の店ですが、聞きなじみのない人が多いと思います。
文字通り農家さんをメインターゲットにしたお店で、置いてある商品は土嚢工具や農業資材の割合が多い。
ホームセンターのように食料品や日用品は控えめなので、畑や家庭菜園に興味のない人は足を運びにくいです。
言い換えれば、我々のような家庭菜園に関心がある人にとっては欲しいものが揃う魅力的なお店といえますね。
ちなみに管理機(耕うん機)のレンタルを行っているお店もあるので、広めのスペースを耕す際にはレンタルするのもアリ。
私の近所の農家の店では、一泊二日で税込5500円でレンタルしていました。
もちろん堆肥や苦土石灰も置いているので、近隣にあるなら要チェック!
園芸店で買う
次に園芸店は種や苗などの野菜作物と一緒に花などを扱うお店です。
私の印象ですが花をメインに扱っているお店が多く、家庭菜園用の肥料系や土嚢工具のラインナップは少なめです。
大型店は売り場スペースに余裕があるので畑や家庭菜園向けのラインナップが豊富な店もあるかもしれません。
近所にあるなら一度訪問してみるといいかも。
とはいえ私は近くのホームセンターと農家の店で一式すべて揃ったので、あえて園芸店で探さなくてもいいと思います。
インターネットで買う
もちろんインターネットでも購入は可能です。
お店に行かなくても自宅からポチるだけで簡単に入手できるので、正直メチャクチャ便利です。
しかし私の経験から言うと、堆肥や石灰は家庭菜園初心者ほどホームセンターや農家の店で購入することを勧めます。
なぜなら初めての人がパソコンやスマホの画面越しに見ても自分の菜園に最適な分量なのかがピンと来ないからです。
もちろんネット上のページに商品説明やスペックの記載がありますが、菜園初心者が用語や数字を見て「ふむふむ、なるほどね♬」となるでしょうか。
私も楽天信者なので普段の買い物はほぼネットですが、農工具や農業資材を買うときは必ずお店で買います。
近所の農家の店では専門知識の豊富なスタッフさんが居たりするので、質問しながら買う時も。
初めて買う肥料関係や農工具などは、お店で実物を見てから購入してみてはいかがでしょうか。
家庭菜園でのサツマイモ栽培は堆肥と苦土石灰があれば良し!
それではまとめです。
- サツマイモ栽培に肥料はいらない
- 堆肥は土壌環境と相談してお好みで
- 苦土石灰は必ず散布して2週間おく
- 堆肥や石灰の購入はホームセンターや農家の店で
初めて作物を育てる初心者だと「肥料を入れないと育たないんじゃないの?」と思いがちですが、サツマイモにとっては栄養過多の原因となりやすいです。
適量の堆肥を混ぜて土壌環境を整え、苦土石灰を散布して酸性を中和。あとは日当たりを良くすればサツマイモはすくすくと成長してくれるでしょう。
ホームセンターで苦土石灰と堆肥を購入し、この記事で紹介した散布する時期と容量を守ってサツマイモが育ちやすい土壌を作ってくださいね。
今回は以上です。ありがとうございました。
これからサツマイモを育てる方は、こちらの記事「はじめ方から収穫まで全解説」をぜひご覧ください!
サツマイモの育て方ガイド:始め方から収穫まで徹底解説!